実際、既にいくつかのスポーツ団体で、この「ガバナンス」を強化することにより、そのスポーツの強化、普及につなげる取り組みが始まっています。
例えば、過去の不正経理問題や理事間の対立問題などから得た教訓を元に、スポーツ団体に関わる多様な意見を集約し、その意思決定や活動内容の公開に努めることにより、対外的な透明性を高め、説明責任を果たそうとしておられるスポーツ団体もあります。また、詳細な内部規程の制定により、スポーツ団体運営の倫理性やコンプライアンスの確保に努められているスポーツ団体もあります。
有名な競技者が生まれることで、社会全体からより大きな注目が集まり、その社会的責任がますます大きくなります。この社会的責任の規模に応じた「ガバナンス」を実施することで、近年、さらに大きくテレビで放送されるようになったり、また、競技人口がどんどん拡大するなど、そのスポーツの強化、普及につなげることに成功したスポーツ団体がいくつもあります。
このように「ガバナンス」の強化は、そのスポーツが社会から注目されることから生まれる、避けることのできない社会的責任を乗り越え、さらにそのスポーツの強化、普及を可能にする強力な武器なのです。
それでは、この「ガバナンス」とは具体的にどのようなことを実践すればいいのでしょうか。次ページ以降で解説していきます。