代表選手選考やドーピング規則違反による資格停止処分などをめぐり、競技者と競技団体との間には様々な紛争が発生することがあります。しかし、スポーツ紛争には法律上の争いとは言えないものも多く、裁判所を通じた紛争解決には適さないものが多くあります。また、裁判では判決まで長期間かかることもまれではありません。
そこで、スポーツをめぐる争いを公正・適正かつ迅速に解決し、アスリートがスポーツに打ち込みやすくするため、JSAA(Japan Sports Arbitration Agency)が2003年に設立されました。
JSAAは、法務省の厳格な基準をクリアし、法務大臣の認証を受けた、認証紛争解決事業者(かいけつサポート)であり、安心してご利用いただける機関です。公正中立な第三者が事案ごとに丁寧に対応し、紛争の解決を図ります。
JSAAは、2013年4月1日に公益財団法人となり、現在は、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)・公益財団法人日本体育協会・公益財団法人日本障がい者スポーツ協会の特別維持会員3団体、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)・一般社団法人日本女子プロゴルフ協会の一般維持会員2団体からの拠出金等により運営されています。
CAS(スポーツ仲裁裁判所、Court of Arbitration for Sport)とは、国際オリンピック委員会によって1984年に設立され、スポーツに関連するトラブルを、国の裁判所ではなく、スポーツ界の枠内で解決をめざすことを目的とした仲裁機関のことです。
1994年にIOCから独立、スポーツ仲裁裁判所を運営するスポーツ仲裁国際理事会 (ICAS: The International Council of Arbitration for Sport) が設立されました。
本部はスイスのローザンヌにあります。CASでは、ドーピングを巡る裁定、出場資格の認定、移籍のトラブル等スポーツに関する紛争を幅広く扱っています。