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第2回スポーツ仲裁シンポジウム

 第1部 アンチ・ドーピングの現在   2

安松氏からは、米国のとある高校生がドーピングをしてしまったことに起因して発生した悲劇的な事例について説明がなされ、小中高等学校などのような基礎的な教育機関におけるドーピング教育の重要性について指摘がなされた。
つづいて、長崎宏子氏(競泳平泳ぎ、モスクワ・ロサンゼルス・ソウルオリンピック日本代表)、為末大氏(陸上400mハードル、シドニー・アテネオリンピック日本代表)からは、自身のドーピング検査経験、ドーピング問題に対する意識などについて意見を述べていただいた。

 長崎氏は、「大人になって人の親になって、多くの若いアスリート達を応援する立場になると非常に重要な問題であると理解できるようになったが、モスクワの代表の時は12歳、最後のソウルの代表の時が20歳であったので、まさにティーンエイジャーの時で、ドーピング検査を何度も行い非常に苦い思い出もあるが、当時は薬に関する知識もまだ全くなかったので、ナショナルチームのメンバーとして合宿などに参加したときにはチームドクターが処方する薬をなんの疑いも持つことなく飲み、今考えるととってもリスキーな選手だったのではないかと思う」と自身の現役時代を振り返り話された。
為末氏は、シンポジウム参加中唯一の現役アスリートの視点から、「①ドーピング検査を幾度と行ううちに、ドーピングは良くないことなのだということと検査のやり方も段々と知っていったわけだが、正直なところ今までドーピングがなぜいけないのかという説明を受けることは少なかったこと、②日本の競技者はわが国のスポーツの本を見れば分かるように技術重視主義であり、どの筋肉を動かせばより早く去ることができるのかという生理学的知見により重点を置くような海外とは異なっており、この点に今まで日本の選手にドーピングが少ない理由があるのではないか」ということを述べられた。


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第2部 スポーツ団体のガバナンス 1

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