スポーツに関するトラブルを公正中立に解決(法務大臣認証紛争解決機関) 公益財団法人 日本スポーツ仲裁機構    





アスリートのためのスポーツ仲裁・調停ガイド!!

スポーツ仲裁手続ってどうやるの?

仲裁申立書の提出・費用の納付

ご相談いただいた後、仲裁合意の有無を確認(注)し、仲裁申立書(※)をJSAAに提出していただきます。
代理人(弁護士等)をたてる場合には、代理人の委任状も必要です。

申立書とともに申立料金を支払う必要があります。仲裁申立料金は一律5万円(税別)だけです。原則として、他に費用はかかりません。

(注)合意の有無の確認とは… JSAAの仲裁・調停手続(ADR)を利用するためには、当事者双方がその争いの解決をJSAAのスポーツ仲裁パネルや調停に付託(依頼)する合意(仲裁合意・調停合意)が必要です。この合意がない場合には、仲裁・調停手続を始めることができません。仲裁合意については、下のコラムも併せてご参照ください。

仲裁合意仲裁申立書仲裁申立料金が揃うと仲裁は受理され、仲裁手続が開始されます。

仲裁パネルの構成

仲裁手続が開始されると、仲裁人の選定が行われます。原則として、各当事者がそれぞれ仲裁人を1名選びます。
選ばれた2名はさらに1名(仲裁人長)を選び、合計3名で仲裁パネルが構成されます。なお、緊急の場合(例えば、選手選考の当否が争われている事案において競技大会が目前に迫っているような場合)には、JSAAの判断で、緊急仲裁手続という、より迅速な手続が採用されることもあります(この場合、仲裁人は原則として1名)。

審理

仲裁人が選任され仲裁パネルが構成されると、各当事者の主張を記した書面のやりとりが数回行われます。
その後、仲裁パネルの前で主張を述べ、必要な場合は証人尋問等を行う審問が開かれます。
原則として審問は1回だけ開かれることとなっています。
仲裁手続は非公開で行われます。

仲裁判断

仲裁判断は、審理が終わった日から原則として3週間以内に下されます(緊急仲裁手続の場合には、当日に判断が下されることもあります)。
仲裁判断は最終的なものであり、当事者を拘束します。さらに不服を申し立てることはできません。
下された仲裁判断は原則として(アスリートの氏名等をアルファベットに置き換えた上で)公開されることになっています。

コラム 仲裁合意:自動応諾条項とは?

大きく分けて、①紛争が発生した後に個別に当事者双方が合意を行う場合と、②自動応諾条項と呼ばれる条文をあらかじめ競技団体の規則に定めておく場合の2種類があります。この自動応諾条項には、JSAAは、各競技団体に対して、『スポーツに関する紛争が生じたときには、JSAAの仲裁手続を利用して解決する』というような内容が書かれており、この条文があれば、競技者が仲裁の申立てを行うと、自動的に仲裁合意があるとみなされます。JSAAは、各競技団体に対して、自動応諾条項を競技団体の規則に盛り込むよう働きかけを行っており、2014年7月現在までに77の競技団体が自動応諾条項を導入しています。