競技者Xは競技団体Aに加盟している選手で、国際大会に向けた強化選手に選ばれ、代表合宿に参加していた。その合宿の中で代表候補の強化選手たちはAの指定した試合に出場することが求められ、Xは、Aの指定するすべての試合で勝利を収めた。そのため、Xは国際大会で日本代表に選ばれることを確信していたが、実際には、Xは代表に選ばれなかった。
この選手選考結果に対し納得できないXは、Aに落選の理由を確認したが、満足のいく回答を得られなかったので、JSAAのスポーツ仲裁を利用することにした。JSAAスポーツ仲裁パネル(※)はAの代表選考基準とXの合宿での成績等を考慮し、「国際大会の代表にXを選考しないというAの決定を取り消す」旨の仲裁判断を出した。その結果Aは代表選考を見直し、Xを国際大会の代表に選出した。
※JSAAに仲裁の申立てがなされると、スポーツ仲裁パネルが構成され、審問・仲裁判断はスポーツ仲裁パネルが行う。