2003年6月2日
日本スポーツ仲裁機構
機構長 道垣内正人
 スポーツ仲裁規則12条の運用について 
 
 
 

6月2日からの日本スポーツ仲裁機構による仲裁申立ての受付開始を控え、5月24日(土)に行われたスポーツ仲裁法研究会におきましてスポーツ仲裁規則の適用上の問題点として、第12条が問題となりました。これは次のように規定しております。

「仲裁の申立ては、競技者が申立ての対象となっている競技団体の決定を知った日から4週間以内、またはその決定が効力を生じた日から6週間以内に日本スポーツ仲裁機構に到達しなければならない。ただし、競技団体の規則または当事者間の合意において別段の定めがある場合はこの限りではない。」

 この規定の趣旨は、もはや実効的な解決が期待できないような事案を排除するとともに、競技団体の決定の安定性を確保することにあります(この期間を過ぎれば決定は争われなくなる)。しかしながら、日本スポーツ仲裁機構の発足時には、この規定の期限よりも前の事案であっても、申し立てる機会のないままになっていたもの(これまで泣き寝入りをしていた事案)が存在すると考えられ、そのような事案を第12条に基づき門前払いとすることは、機構の設立目的にもとることになると考えられます。

 従いまして日本スポーツ仲裁機構ではこの規定について当分の間適用を停止する措置を取ることとし、2003年6月1日をもって理事会決定をし、下記の様にスポーツ仲裁規則を改正したことをお知らせいたします。

 

-記-

1. 規則改正
次の規定を附則の次に規定する。
「附則2 
1 本規則第12条の規定は、2003年6月1日より前にされた決定に関しては当分の間、適用しない。
2 前項の規定は、2003年6月2日から施行する。」

-以上-

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